Danner x HUMAN x CREATION Vol.10
Danner x HUMAN x CREATION
イントロテキスト
MANABU KOBAYASHI
文化服装学院デザイン科卒業後渡仏。パリ、南仏を3年間放浪。帰国後フランスのデニムメーカーで企画を5年、東京、パリ、南仏を往復。当時、インポートブーム全盛の中、ジャパンメイドのデニムなら世界で戦えるクオリティーが表現できることを確信し岡山、児島のファクトリーに入り、工場目線の物つくりを学ぶ。
スタイリストとのコラボモデルが話題となり国内外から多くのオファーを頂く。そして98年スロウガンブランドを代官山でスタート。都内ではバーニーズニューヨーク、伊勢丹メンズ館、ロンハーマン、ステュディオスなどで取り扱い。
HP : slowgun.jp
MANABU KOBAYASHI
ーダナーとの出会いを教えてください。
MANABU KOBAYASHI (以下MK/敬称略):
90年代のビンテージブームの最中ダナーライトを買ったのが始まり。ハウスマークのLeeやハートマークのカーハートのオーバーオールなんかと当時合わせてはいていました。その後ナイキのACGブーム到来でスニーカー感覚のトレッキングがはやりまして、あえて自分はラバドームあたりと交互にクロスハイカーというモデルを履いてました。ソールがセメント製法のダナーとしてはスニーカーに歩み寄ったモデルです。そして現在は80周年のマウンテンライトがお気に入りです。
ー愛用のダナーはなんですか?
MK: 80周年のマウンテンライトです。ほのかに80年代を感じるDカン、かしめの金メッキがむちゃくちゃ気分です。ポートランドで家族全員分買いました。オレゴン州は無税なので。笑
ーダナーのどんなところが好きですか?
MK: 見た目の重厚さ、ちょっとノスタルジーを感じるデザイン、なのに中の構造はハイテクそのもの。想像より軽く1日はいていても疲れない。ワイズの設定こそあるものの、それ以上にスマートに見える気がします。ぼてっとしたワークブーツや登山靴にくらべて・・・ここが街履きになりえる所以でしょうか?
また、ホーウィンのオイルドレザーも履きこむうちに油分が移動してブーツ表面になんとも味わい深い濃淡がでてきます。アイリッシュセッターなんかも同類ですがダナー×ホーウィンのほうがじぶんは好みです。なのでいつも色調変化の出やすい茶系をえらんでしまいます。
ーどんな時にダナーを履きますか?
MK:特にこのスタイルにしか合わない・・のようなことがないのがダナーの魅力でデニムはもとより、カジュアルなスーツなんかにも素敵に映えると思います。
甲高感がしっかりあってワイズがすっきり見えるので多くのアメリカンブーツの中でも独特な雰囲気があります。イタリア的なあまりコバの張り出ていないシューズにも近い感覚があるので、ちょっとハズしてイタリアアイテムのなかに足元だけダナーなんて玄人的なあわせだと思いますし、しっくりなじむと思います。
ーこんなダナーがあったらいいなというのはありますか?
MK:やっぱり90年代に影響を受けたアウトドアなイメージが強いので、少しきれいめというか「エレガント」なデザインだったり、ダナーのクオリティの良さが見た目で伝わるようなデザインがあれば、いいなと思いますね。後は、ブーツなのにあんなに履き心地が良いので、更に追求した一生履き心地の良いブーツとか欲しいですね。
ーどのような"CREATION"をしていますか?
MK:スロウガンのCREATIONは歴史とアートとサブカルチャーのミックスが基本です。なつかしむだけのレプリカや時代性のないアート表現に陥らないよう、自分たちが作っているのはファッションであることを常に念頭において創作活動を行っております。世界の中で今何を話題にするのが最新か?をセンターに置き、トレンドの具体性が出た段階で過去のプロダクトを調べ上げ、先のアート表現をプラスしてスロウガンらしさを演出します。HIP HOP的に言うと、テーマにすべき過去の音源とリズム、声をコラージュして最新の音を表現する、どの時代の音源を触るかで相手にセンスを感じさせる・・そんな物つくりの手法に近いと思います。
ーあなたにとって"CREATION"とは?
MK:今までは作りたいものを作り、発表するのがデザイナーの仕事、CREATIONでしたが、最近は発表の方法なんかにもクリエイションを持ち込みたいと考えています。例えば80有余年の歴史あるアメリカンシューメーカーのダナーのフォーマットを我々のような東京人が東京感覚でカスタムし、そのアイテムをパリやアントワープなんかでインスタレイションしてみる、、こんな感覚が90年代セレクトショップ的であたらしい気がします。東京フィルター越しに見るアメリカンプロダクトはユーロ圏の人々には新鮮なようです、今。
MANABU KOBAYASHI